鎌倉で不動産として古民家の再生を


住みつがれてきた住まいに手を加えて改修して住み続けることは、決して特別なものではなく戦前まで多くの民家はこれを行ってきました。古民家は例外なく古い材料を使いまわした形跡があります。近年歴史的価値の高い建物は、文化財として保存されていますが一般の鎌倉にある民家は農家も町家もだれの目にも触れられず壊され、ほとんどが消え去っていきつつあります。一般の住まいに関しては時間の流れを凍結して残すなどといった発想がありませんでしたし、またその必要もありませんでした。しかし私たち鎌倉の祖先は古いものを残しながら積極的に新しい文化を生活に取り込み、住文化を創造して継承してきました。
住機能としての民家を見ると民家の作りそのままでは、現代の生活に適応しなくなってきています。古民家は寒い、暗い、汚い、使いにくいなどマイナスのイメージしか持たれていません。多くの民家は現代住居としては、小数化した家族には大きすぎ隙間風が吹き抜けて、外気温と室内温度の差がありません。多くのお年寄りは家の中にもう一つ部屋を囲って生活している有様になっています。ですが重力の法則に従い力学的に合理的に作られた建物を見ると、だれもが本質的に美しいと感じます。民家は緊張感や均等性のある美しさとともに、ある種の風格や品格さえ備えています。これらの美しさからすれば、民家の欠点は小さなものに映ってしまいます。民家の伝統的架構はどの鎌倉の民家も生活の変化に応じて、どのようにも手を加えられる懐の深さを持っています。いうまでもなく使用されている材料は自然の素材ばかりであり、その材料は現代のものと比較するとはるかに良質なものが使用されています。
このように大変に魅力がある古民家を人が住めるようにリフォーム、リノベーションを行って古民家の形を崩すことなく、素晴らしい住居にしている鎌倉の人たちもいます。また古民家の再生を手がけて不動産として民家の魅力を知っている人に、賃貸に出している人や不動産屋さんもあります。古民家を生活がしやすい場所に移動する移築再生も行われていますが、移築再生については鎌倉にあった民家はその地で生かすべきだという意見も多くあります。民家は地域性が著しく単にデザインの問題ばかりではなく、暮らし方そのものにかかわっています。どういう環境で暮らすかということと家は、密接にかかわっています。民家は地域的に発達してきた道筋があってそれをたどって改造を加えるのが、再生と呼ばれています。再生された民家を利用して、不動産としての価値を見出している人もいます。

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